「今日は私が奢るよ」と「成功に驕るな」。どちらも「おごる」と読みますが、表す内容は同じではありません。


「奢る」と「驕る」の違いは?
結論
- 奢る:ぜいたくをする。または、自分のお金で人に飲食物などをごちそうする。
- 驕る:地位・能力・成功などを誇り、思い上がった態度を取る。
| 言葉 | 中心となる意味 | 判断の手がかり | 例 |
|---|---|---|---|
| 奢る | ぜいたくする/ごちそうする | お金・食事・暮らし | 後輩に昼食を奢る |
| 驕る | 思い上がる/威張る | 地位・能力・成功・態度 | 勝利に驕らず努力する |
「誰がお金を出すか」が話題なら「奢る」、「成功や立場による慢心」が話題なら「驕る」と考えると、ほとんどの文で判断できます。
「奢る」の意味と使い方
「奢る」には、主に次の二つの意味があります。
1.ぜいたくをする
必要以上にお金をかけたり、ぜいたくな暮らしをしたりする意味です。現在では「人にごちそうする」の意味が身近ですが、「奢る」にはもともとぜいたくに関係する用法もあります。
- 旅行中は少し奢って、眺めのよい部屋を選んだ。
- 若いころから衣食に奢る生活を続けていた。
2.自分のお金で人にごちそうする
飲食代などを自分が負担する意味です。日常会話で「おごる」と言う場合は、この意味で使われることが多いでしょう。
- 昇進祝いに、今日は私が夕食を奢ります。
- 先輩がコーヒーを奢ってくれた。
- じゃんけんで負けた人がアイスを奢ることになった。
「奢ってもらう」「奢ってくれる」のように、誰が代金を負担したかを示す言い方でも使います。
「驕る」の意味と使い方
「驕る」は、自分の地位・能力・成功などを誇り、ほかの人を見下したり、思い上がったりすることを表します。多くの場合、好ましくない態度を戒める文脈で使われます。
- 一度の成功に驕らず、改善を続ける。
- 実力があるからといって驕ってはいけない。
- 権力に驕る態度が、周囲の反発を招いた。
「驕らない」「驕ることなく」のような否定表現では、謙虚な姿勢を評価する意味になります。
例文で使い分けを確認
食事代を出す場合
○ 部長が部員全員に昼食を奢った。
代金を負担してごちそうしたという意味なので、「奢る」を使います。
成功して慢心する場合
○ 好成績に驕ることなく、次の試合に備えた。
成功を理由に思い上がるという意味なので、「驕る」を使います。
ぜいたくをする場合
○ 記念日なので、食事は少し奢ることにした。
普段よりお金をかけてぜいたくをするという意味です。文脈によっては「豪華にする」「ぜいたくをする」と書き換えると、さらに伝わりやすくなります。
迷ったときの覚え方
覚え方
- 奢る=財布・食事・ぜいたく
- 驕る=成功・地位・態度
「誰がお金を出したのか」と言い換えられるなら「奢る」、「思い上がっている」と言い換えられるなら「驕る」です。
よくある疑問
「口がおごる」はどちら?
「口が奢る」と書きます。おいしいものを食べ慣れて、味の好みがぜいたくになることを表すためです。「思い上がる」という意味ではないので、「驕る」は使いません。
「おごれる者も久しからず」の漢字は?
意味としては「驕る」に関係します。地位や力を得て思い上がる者の栄華は長く続かない、という戒めです。引用するときは、出典の表記に合わせるのが安全です。
漢字に迷ったら「おごる」と書いてもよい?
一般向けの文章では、読みやすさを優先して「おごる」とひらがなで書く方法もあります。ただし、意味の違いをはっきり示したい文章では「奢る」「驕る」を使い分けると伝わりやすくなります。
「奢る」と「驕る」の違いまとめ
- 奢るは、「ぜいたくをする」「自分のお金で人にごちそうする」という意味。
- 驕るは、地位・能力・成功などを誇り、思い上がるという意味。
- お金・食事なら「奢る」、成功・地位・態度なら「驕る」と覚える。



